早期英語はいつから何をする?オーストラリア現地校・小1の1年間を全公開【保存版】
小1の1年を総括
どうも。歴旅です。海外に旅して英語編をやっています。早期英語。最近では小3、小4で英検1級という時代になってきました。自分達が子供の頃と全く異なります。そのため自分達の経験則はもうあてはまりません。
この1年間、私の子供はだいぶ頑張って取り組みました。しかしそもそも現地ネイティブは小学生でどんな教育しているの?というのは気になるところです。私自身も学校に(ボランティアとして正規に)潜入して教室の風景を確認してみました(写真は撮れません)。
結論から言うと、
・子どもは言語習得が早い。丸暗記していくため、ちゃんと面白く取り組めれば覚えていく。
・現地英語は小1レベルで高3くらいの文法、表現は全部取り扱う。抽象的概念はまだ少ない。
・英検3級程度は余裕でクリアレベル。
という状況です。
ちなみに白人系がみんな英語ペラペラか、というと全然そんなことはなかったです。会話はネイティブはペラペラですが、実はネイティブと見せかけて移民の国。イタリア系、フランス系、南米系など多種多様なバックグラウンド。実は家庭内の言葉が英語ではない子たちもたくさんいます。見ていると意外と読み書きに関してはアジア系の子供の方が習熟が早い。やはり勤勉なんですね。英語ネイティブはもちろんだいぶペラペラ。小1段階で1万語を超えています。なので圧倒的な差がある。しかし、1年の学習でみんなかなりいろんな話ができるようになりました。小1の一年間の学習は大きいです。
オーストラリア現地校・小1英語の全体像
全体像として、読み書き、発音、スペリングなどをグルグルやります。毎日のように英語の授業があります。移民の国なので、言語的についていけるようにネイティブにも移民にも配慮されているように思います。公立小学校は多様性を重んじています。たまたまうちは環境の良い公立小学校ですが、少し離れると学級崩壊している学校もあるというので、ピンポイントの学校が大切ということが分かります。
英語についてはテキストが命ですね。先生はきちんと丁寧に教えます。しかし全員をカバーできないのでだんだんと差がつく内容になっています。それでは授業スタイルを見てみましょう。
授業スタイル
これは気になりますよね。初期の段階では、スペリング、発音、リーディング、ライティング(単語)をグルグル回します。スペリングは本当にアルファベットから。白人系でも意外と書けない子が多いんです。また、それらを似た発音の単語で固めて覚えていきます。そうすると、1文字1文字発音して単語にしていく子もいれば、1単語として読んでいく子もいます。チャンク(意味の塊)毎に読める子と、まだ文字が意味をなしていない子で分かれています。単語の意味を覚えながら書いたり読んだり、クイズ形式で遊びながら覚えます。そしてリーディングですが、はじめはみんな同じ教科書でスタートします。オーストラリアでは「自分の教科書」というものがありません。教科書も筆箱も全部学校に於いてあり、その授業の時に借りて読みます。そのため、はじめはみな同じような「あかちゃんがドカン、バタン」みたいな絵本を読んでいますが、3種類の本の中から読めるレベルに応じて、読む本が分岐していきます。ネイティブで優秀な子はどんどん難しい本を読み始める。物語になっていって、その意味を理解して読み始める。 機会平等ですが結果では大きな差がつきます。グループで3~4人ずつテーブルごとに確認し合いながら(しゃべりながら脱線しながら)ワークを進めていきます。グループごとでも差がついていきます。小1から完全競争社会です。
教科書もテーマ性があることが分かります。発音に特化した本、音の特性に合わせて単語をグループ化した本。物語、身近な話、ファンタジー、自然科学、恐竜など多様なテーマを学びます。
電気、雷、水の循環、重力、星座など抽象度の高い話もある。科学だけでなく歴史や物語的要素を身近な例を挙げながら、社会問題などにも触れて取り組んでいます。オーストラリアの動物園のお仕事、みたいな内容もあり、話題は本当に多種多様です。小1用とはいえ、大人でも勉強になります。
宿題の特徴
・子どもにしては文量がある
当初は日本の3歳児用の本みたいな内容ですが、これはこれで日本では習ったことがないような擬音語、擬態語がたくさんあります。3文字、4文字の簡単な単語でこんなに知らない単語があるのか、と驚きます。中学高校以降では使わないんので出てこないんですね。
・親の介入が必要
ほぼ間違いなく親が教えないと落ちこぼれます。「この単語の意味ってなに?」と聞かれたときに、親が英語で説明できないといけません。ネイティブならそうしますが、多くの家庭は辞書で日本語の意味を教える必要があります。我が家は「日本語が母国語」として設定しているため、日本語もぬかりなく、且つ英語も使えるようにするために「きれいな日本語で翻訳する」を推奨しています。英語だけの使用と会話は学校でやるでしょう。しかし日本語教育は家庭でしかできません。英語がペラペラで日本語が不自由な変な日本人を作ることが早期英語の目的ではない。それをやって放置するとダブルリミテッドになり、思考力とスピードに支障が出ます。
・徐々に難しくなる
内容については、教科書の難易度に応じてだんだん難しくなります。簡単な物語に戻る時もありますが、読みやすいけどページ数が増えたりしています。いろんな手練手管を考えて教科書が構成されていることが分かります。物理みたいな抽象度の高い内容が意外とあるのでびっくりです。thunderとlightningとboltの違いなどを英語で説明しているのですが、結構難しい概念ですね。thunderは「雷鳴」、lightningは「電光」、boltは日本語だと訳しにくいですがa bolt of lightning「1本の稲妻」でしょうか。boltは「3cmほどの光の単位」とその繋がり、という説明でした。小1にはなかなか難しいですね。単語も、蒸発、濾過など難しい概念が出てきます。長くても馴染みがなくても海賊や旅行などの物語の方が簡単に感じます。
※ここに過去記事へのリンクをまとめました
オーストラリアスクールライフ
物語「Angel’s Bagels」
水の循環
1年間の英語成長プロセス
こちらでは4学期あるのですが、ざっくり分けると以下のような学びの順番になります。1年間で読む本の内容は大きく変わりました。しかしどのフェーズも大事だったなと思います。最初の赤ちゃんの絵本のようなときは楽でしたが読む意味あるのか、というのが正直な感想でした。しかし徐々にスピード、難易度が上がってくるにつれて、最初に英語に親しみ、抵抗感がなくなっただけでも重要です。焦らない事は後からの伸びに繋がります。
| 時期 | 学びの変化 |
|---|---|
| 前半 | 音と物語に慣れる。擬音語、擬態語など音遊びのような簡単な絵本からスタート。 |
| 中盤 | 学校や友達、動物園など身の回りの物語が中心になり、自分の言葉で話せる馴染みのある英語。 |
| 後半 | 読む・書く・考えるが繋がってくる。日記を書いたり、読んだ本のアウトプットを進める |
早期英語で「伸びた力」「伸びなかった力」
伸びる方法
いろいろ試してみようかと思いましたが、正直宿題だけで手いっぱいでした。しかし逆にそれで十分、と言えます。着実に、確実に、読書量を増やしていきました。大切なのは楽しくやることで、物語の面白さを感じ、自分で想像し、何のことかわかるようにクイズを出したり、解説したりしました。はじめこそ日本語訳をしながら英語を読んでいましたが、後半では英語で英語の説明をしていっています(日本語も使っています)。これは親が話せないとできないですが、親にとっても大事ですし、子供がそれで概念が分かることが一番重要です。
子供は遊びながら自分の考えていることを言語化しているので、そこはもはや放置。しかし授業で英語プレゼンが月1程度あるので、「なんの話がしたいか?」「何が楽しかったか?」「なにが思い出に残っているか?」など日本語で話しながら、英語プレゼンを登下校中に話しながら(丸暗記してもらって)準備しました。宿題や課題が出る前提ではあるものの、正直家庭教育が要だと思いました。
伸びなかった(=やらなくていい)こと
子供にとっては、英語ははじめは訳しつつ、文法もいろいろと考えなければならない。しかし、思いの外すんなりと覚えていくものです。素直にすごいなと感心します。現在形、過去形、過去分詞形など、はじめこそ自分で単語帳を作っていたものの、中盤からは丸暗記しだしました。教えている方が「覚えていないの?」と言われる始末…苦笑
文法もまた、最初は必要ですが文量をこなしていくと、意外とすんなり覚えていることに驚きます。受動態だったり、分詞構文だったり、もはや大学受験レベルですが、ネイティブなので当たり前に出てきます。また、学校ではやはり文法の説明がされているようです。 passive(受動態), article(冠詞), plause(文節), present complete(現在形), future complete(未来形)など言っているので、意外にも日本の大学受験と同じように文法は文法用語を使って学校で習っているようです。違うのは発音記号がないくらいですが、しかしナマの口の形で、文字ごとに覚えていきます。学校の校庭にはu, au, gh,などの文字が並んだ図が地面に書かれていて、どこの学校でも見られます。体育しながら発音を覚えているのでしょう笑
日本のような単語テストなどはないようですが、宿題でも毎週15個ずつ、4回ずつ書き、復習シートが出るのでテスト形式ではなくても記憶定着の仕組みがあります。結局ほぼ同じと考えてよいでしょう。ドリルのようにひたすら繰り返し書くものは少ない、という印象です。 日本の英語教育に欠けているのは発音と口の形などネイティブ要素、語感、コロケーション(この単語の後はこれがくる、という自然なつながり)などの圧倒的物量ですが、それ以外は意外と日本の教育は優秀、と言えると思います。読み書きに関しては、という制限がつきますが、リスニングとスピーキングはどうしても物量の問題が出ているようです。しかし動画や音声ツールの発達した現代では、もはや同じ環境は創り出せるでしょう。
ちなみに外国にいてもSNSやyoutubeなど日本環境が作れてしまうので、英語ができない人は永遠にできません。逆もまた然り。
中学受験・社会・歴史学習との接点
「早期英語=英語教育」ではなく別言語での「思考力の土台」
語学全般に言える事ですが、基本的に言語は思考のためのツールです。(民族文化そのもの、ともいえるのですがここでは別文脈)新しい言語で別の情報ソースを利用し、別の世界の事が理解できます。早期英語は英語そのものが使えることも重要でありながら、内容を理解し、概念が分かることが重要です。まだ子供なので自分の身の回りの事や、遊び、旅行や体験が話せ、具体物が見えるものを表現できれば十分でしょう。英語の絵本も、物語構造が理解できたり、章ごとに場面の入れ替わりが分かったり、科学本の内容が理解できたり、英語で理解し、説明するという能力が身に着けばそれで現状は良いです。単語がないと話せないものの、単語暗記を矯正しても絶対挫折して終わります。
中学受験では英語は出てきませんが、そのうち試験問題になることも視野に入れています。上位私立校ならばあり得る話です。また、英語ができないと中学に入ってから、ある程度やっている学生と無勉強では圧倒的な差がつき、苦手意識ができてしまう。これは大学受験で圧倒的不利になるため、やはり昔と比べても英語は早期にならざるを得ない。
重要なのはどちらかというと早期に取り組みすぎてダブルリミテッドにならない事の方が重要だと思います。「言語は思考のツール」と言いましたが、それは母国語がしっかり確立され、スピードがある状態で思考できることができて初めて意味をなしてきます。我が家は半強制的に英語を使わなければならない環境に置かれているため目的も実用もわかって使えていますが、もし「勉強のための英語」をやっていたとすると習得が厳しいように思います。「帰国子女は英語ができる」のが当たり前のように思われますが、2倍努力し苦しんでいるだけです。勉強していない人はネイティブでも話せません。逆を返せば、強制力と接点の違いはあれども、わざわざ海外に出なくても、日本でも今は同じように英語習得ができる環境だと思います。
日本で早期英語に取り組む家庭への結論
やるべきこと
現地で体験した教育経験をもとに早期英語について展開してきましたが、やるべきことは割と単純でした。
1.レベルに合わせた多読。基本的なスペリングやスペルごとの発音パターンが身についたら、簡単な絵本から徐々に難易度を上げて読み込んでいく。音読していく。週1で新しい本を読んでいく。2,3回に分けてもいいので、着実に日々こなしていく事です。
2.単語の説明。はじめは(後からでも)日本語で教えていく。しかし語感が異なるものがあるので後半英語で説明していく。英英辞典的な説明になっていきます。具体例やopposite(反対語)の例で話していくと理解していきます。
3.親が英語を話す事。当たり前ですが、親が話して読み書きしていかないと教えることも会話もできません。話す動機付けが決定的に重要です。多くの場合幼児期は親が会話相手です。これを外注化して外で教えることもできると思いますが、学習スピードは落ち、習得スピードも落ちます。やるなら集中してやった方がいい。日本語と英語がチャンポンにならないように気を付けたいところですが、言語は家庭教育が重要です。これが日々アウトプット型会話になります。我が家は夕食の時に覚えた単語を一人可能な数だけクイズで出していました。また、海外のものですが「単語類推ゲーム」があります。単語編とフレーズ片がありますが、これは大人でもだいぶ役に立ちます。
やらなくていいこと
逆にあえてやらなくていいこともあります。文法は口頭での説明話されているものの、日本の様に文法のための文法はやっていない。逆に会話の中で即答していう形で覚えていきます。これは小学校以上の中高になっても同じようです。現在ではこれも「Kahoot!」という教育ゲームがありますね。タイムアタックで即答していくもの。自然な英語が分かっていれば回答できます。分からなくなった時だけ、補足的に文法的解説を入れていく。幼児期は丸暗記して運用できます。日本語で補足しながら使い方を教えることは必要ですが。
親が英語を、と言いましたが、とはいえ忙しいのが現実的な課題です。おカネ次第ですが、英語で話す環境を如何に作るか、だと思います。お金があればやらなくていい。なければ親が教育する。我が家は言語も含めて幼児期は家庭教育が人格形成、情報ソース、世界関係性の全てだと思っているので全部関わっています。ちなみに簡単な中国語とインドネシア語も教えています。
確実にやらなくていい、と思うのは、成果を急ぐことです。子供は自分のペースがあり、強制されることを嫌がります。さりとて何も言わなければ遊んでしまうのが子供。その間のバランスが重要ですが、いかに動機付けするか、いかに楽しんで自分でやるようにするか、に集中しました。これが全てです。
まとめ|小1の1年で見えた「本当の効果」
オーストラリアでは1月開始(スクールホリデーのため実質2月開始)の4学期制のため、12月のクリスマス前で修了です。Y-1(イヤーワン:一年生)は終わり、2月からY-2になります。1年本当に大変でした。。しかし子供の方が大変だったでしょう。小1の壁を海外で経験することになるとは思いませんでしたが、慣れない(不明な)PTA活動、お誕生会、宿題、などなど、情報をキャッチアップするので精一杯でした。
しかし小1で英語に触れた結果、現在見えてきたのは以下です。
【環境】
・当初は苦しいものの、日本語と英語は両立できる(6歳、年長の夏から開始しました)
・楽しむことが全て
・友達と英語で遊べる環境が大事
・親のフォローなくして英語環境で生きてはいけなかった
【学習】
・初めに発音。読み書きは後
・赤ちゃんのような本から毎週着実に多読していく事。背伸びしたり、簡単な本に戻ったりしてよい。
・できたできないを求めない。読み切ったら終わり。できるできないを求めるのは読み切るかどうかだけ。
・寄り道OK。英語の意味を教えながら漢字の勉強に移行していたりした。(だから遅いがOK)
・科学の本は動画を見せたりした。蚕と繭、稲妻、濾過装置などは単語を見てもわからない。大人でもわからない単語が出てくる。カリプソ(南米の音楽)やピラミッドなど、解説がないと絶対にわからないからゆっくりじっくり進んでもOK。調べることも学ぶ。
・タイムアタック。スピードを意識すること自体は重要。(1週間以内に読み終わらないため) 30分程度で切って集中力を維持。
・物語を読んで絵を描くなど創造力も大切。文字がストーリーになり、絵でイメージできることが理解に繋がる。
【成果】
・英語は勉強ではない。スポーツと同じ運動能力の一環。誰とどう話して、楽しいかが大切。結果として読み書きができるようになる。
・英語で歌を歌う、踊るなどの特技も身につく
・英語だけではない。文化、習慣、遊び、楽しみ方などその時代、その土地を楽しむことが大切。
・誕生日会に呼ばれることが大切。クラスの人気者になれるかどうか。英語が重要。それ以外も重要。
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