平成29年桜蔭中学校社会②より お茶の歴史⑦ お茶とアヘン戦争③
どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。
イギリスが始めたアヘン戦争。清朝の敗北はけっこう決定的な流れを作りました。
実際は清朝中国はものすごく大きい国なので、中央政府、皇帝は海で起こったちょっとした出来事、くらいの認識だったかもしれません。しかしここから不平等条約を締結させられたことで圧倒的に状況が変わってきます。
更に、イギリスが勝ったことに便乗して、アメリカ合衆国は望厦条約、フランスは黄埔条約を締結しました。
これ、日本でも同じですね。日本が開国して不平等条約を締結させられた時、欧州8か国がみんなやってきて同じ条約を結んでいきます。アメリカだけではない。何しに来たの?という感じです。欧州は1か国が穴をあけるとみんなでしゃぶりに来ます。気を付けてください笑
清朝からすると敗戦の上にもう踏んだり蹴ったり。アメリカもフランスもなんで来たのか訳が分かりません。負けて弱ったところ脅しに来ただけです。
最後の顛末として、南京条約ではアヘンについて一言も言及しなかっため、終戦後もアヘンの流入と銀の流出が止まりませんでした。
ここから清朝は逆にすごいのですが、銀を流出させないために中国国内でアヘンを生産し始めます(!)これによりアヘン価格の相場が崩れ、安価になったため銀の流出が止まっていきました。イギリスからアヘンを買う必要がなくなるからです。
しかし国内アヘン利用者が爆発的に増え、引き続き危機的状況が続きます。凄まじい対処法です。肉を切らせて骨を断つ。中国のすごいところです。
さて、条約締結内容を教科書的にさらりと書きましたが、これってどういうことでしょうか?
結果どんなことが起きるでしょうか?
単語だけ覚えても、何が起こるか想像がつきませんね。
・公行制度の廃止と自由貿易
これによってどこでも誰でも貿易できるようになります。これまでは国のお墨付きをもらった信頼できる商人が取り仕切っていましたが、やくざでも誰でも利益を生み出し、更にイギリスは利益を与える相手先を選ぶことで内部から別の利益を持ってきてもらえるようになります。自由。清朝を弱体化させる勢力を内部に作っていくことができます。ついでに自分達の大陸内部の拠点も提供してくれます。自由貿易は「良識と見識があれば」チャンス平等のよい貿易だと思います。
・多額の賠償金支払い
もうそのままですが、戦争の賠償金を支払うためには増税して取り立てるしかない。一般民衆が隅々まで苦しむことになります。働けど働けど、楽にならざり我が暮らし。とにかく支払いきるまで全部持っていくしかない。
・香港のイギリスへの割譲
イギリスは活動拠点が欲しかったんですね。
九龍半島(くーろんはんとう)に深く入り込み、根付いていきます。
歴旅も香港は80年代から遊びに行っていた思い出の土地です。
イギリスはこの香港を拠点に様々な貿易、対大陸支配の仕組みを作っていきます。現代まで続くこのシステム。
今年香港は中国が支配を強め大変なことになっていますが、もともとは当たり前に中国の土地、という意識があります。
香港編は別途時事問題につながるところまでやりたいですね。話題の重要事項で、歴史的構造を知っておくべき点です。
・広州、福州、上海を加えた5港開港。
なんかどこかの国で同時代に起こった事と似ていますね。
一番利益が吸い出せる港を選んで、「船で積み出すから開けろ」ということです。中国は広いのでどこでも割と儲かるのですが、昔から栄えた港の方がよいですね。
次は植民地体制つくりに一番重要なポイントに触れていきましょう。
続く。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません