平成29年度渋幕中学校1次社会②より 貨幣問題⑦ 江戸時代の通貨政策①
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引き続き江戸時代です。
問題です。元禄時代の経済政策を実施し、幕府財政を回復させた勘定奉行は誰でしょうか?
江戸時代、幕府は最初は大金持ちでしたが、日光東照宮を作ったり江戸自体を立派にしたり、大奥に贅沢三昧させているうちに貯金がなくなってきました。明暦の大火で大きな被害を受けた江戸の町の復興も大きな支出になりました。しかし5代将軍徳川綱吉は大きな寺院を建立したりするのが好きでした。お金を使いながら懐を温かくする方法はないか。。。そんな都合のいいことを考えていました。
そこに現れたのが荻原重秀。提案したのは貨幣改鋳でした。古い貨幣を溶かして新しく貨幣を作り直すことです。荻原重秀はそれまでの慶長小判を回収して、金の含有量を減らした元禄小判に作り替えました。1枚当たりの金を節約し、小判の数を水増しした結果、幕府は莫大な差益を得ました。金銀貨で500万両というすごい儲けです。しかし貨幣の質を落としたことから値打ちが下がり、インフレ発生。庶民からは悪のレッテルを張られます。もともと流通が滞ってデフレだったのでよかったのではないか、という意見もありますが、物価が上がったら苦しいですね。
これまで家10両で建てていたけど、小判の質が悪くなったんだってさ。そしたら1両小判の価値、1両分ないよね。3分(0.75両)なんじゃない?そしたら今度から13両と1分(0.25両)だよ。という感じで物価が上昇。インフレが起きます。物の価値が安定していないと混乱しますね。
この後綱吉が亡くなり、6代将軍徳川家宣の時代になると、天敵新井白石が現れます。彼は貨幣改鋳政策を親の仇のように批判し、萩原は幕閣から追放されます。当時随一の経済通だった荻原重秀が悪役イメージなのは新井白石の悪口と言っていいと思います。この後の時代を見ると、引き締め政策で経済悪化。彼の政策は幕府の財政を安定化させ、通貨流通と取引を増やした、という意味で良かったのだと思います。アベノミクスとどう違うのか、考比較したいところですね。
答え:荻原重秀
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