平成28開成中社会①より 関東の歴史⑪ 源平合戦から考える夫婦別姓(実は麻布対策)
問題です。
夫婦で姓を別にするメリットとデメリットは何か。その上でどちらを選ぶのが得策か。
どうも。歴旅です。
今日もぶらりと歴史旅。
源氏と平氏なんて関係ない。平家を倒せ!という動きから、
今日はぶらりと文化論。麻布中の試験の意識した思考のトレーニングです。
麻布中学の試験問題は男子校なのにジェンダーを扱うなど、センシティブなテーマをぶっこんできます。公立では出せない切り込み方は私立ならではだと思います。
海外でのディベートを念頭に置くと、本来はガンガン議論していっていいのかもしれません。タブーはあるけど切り込んでいく。触れない、というのは良くも悪くも何も変わらないということです。というわけで、歴旅もぶらりと切り込んでみます笑
さて。人類学、社会学領域では家族の単位研究があります。その中では、
「中国は血の文化。日本は家の文化」
と言われます。
中国大陸は戦争虐殺文化で、平原がずっと続いているので侵略者が隣に住み着いている状態なんですね。騎馬民族がバーッと攻めてくる。そして隣に住む。そうすると隣に長く住んでいても信頼ならない。逆に遠くに逃げて行った親戚の方が同じ境遇を分かり合える。日本人では会った事もない親戚にお金を借りるなんてしませんね。たぶん貸してくれません笑
しかし中国(韓国も)は初めて会った親族でも大事にします。過剰なほど面倒を見ます。
次の戦乱で助けてくれるのははるか遠くの会った事のない親戚の方が可能性が高いからかもしれません。
日本は逆に、赤の他人でも同じ家に住んでいたら「家族」扱いします。血の繋がりはさほど重視しない。だから養子縁組も抵抗感が少ない。
中国ではありえません。
同じ場を共有し、同じ釜の飯を食い、同じ生活をしていたら思考も生活習慣も似通ってきます。助けてくれるのは近くの友達。一緒に暮らしている人。中国と対比すると、平和が長く続いたからだと思います。
坂東武者達は同じ境遇で同じことを朝廷に対して思っていた。報いてくれない遠くの朝廷。
近くにいる仲間たちで立ち上がろうぜ。
源氏も平氏も関係ねぇ!
という感じなのでしょう。
上杉家など武家は「家」であっても途中で養子を取ったり、血筋は繋がっていなかったりします。でもいいんですね。「家」を継いでくれれば、守っていく仲間達と、土地と資産と歴史を引き継いでいくならば養子でもいいんです。信頼できるから。
こんな切口で夫婦別姓を考えるのも面白いですね。「家」が何なのかわからずには判断できない課題だと思います。麻布中学で出題されますよ笑
ちなみに、「夫婦同姓は日本の伝統だから」という話は全く理由になっていません。
源頼朝と北条政子は別姓ですね笑
さらに言えば、同姓が法律で規定されたのは明治以降の民法からなので、江戸時代までは別姓もありました。むしろ大半名字なんてなかった。
逆に男性側が姓を変えることも頻繁にありました。家を継ぐために婿養子になり、姓が変わる。セットです。
今回答えはありませんが、歴史の中に本質を探る事が答えに結び付くのだと思います。「便利だから」「離婚してもばれないから」などの家族離散を前提とした個人主義的志向と対比して考えてもいいかもしれません。それはメリットとデメリットどちらが大きいか?
農家では平等に田んぼの相続を分配する者を「田分け」と言いました。平等に分けていくと細分化して一族全滅します。愚か者という意味になりました。資産の切口でもいいかもしれません。
分割して名前を変えていい場合もありました。平安末期、鎌倉時代の惣領が土地を治めていた時は郷を増やすために一族を増やしました。その時に分家していっています。
さて、夫婦別姓。どんなメリットがあり、どんなデメリットがあるでしょうか?
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