2021年慶応普通部社会⑤川と歴史⑥文化・文学

どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。
中学受験、御三家レベルの社会を楽しく学びましょう。

最後は文化問題ですね。

対岸から眺めると極楽の入り口に見える建物。
平等院鳳凰堂ですね。
10円の表のデザインになっています。平等院鳳凰堂の前を流れるのが宇治川です。昔は三途の川と位置付けられており、魚を釣るのも禁止されていました。
当時川の向こうは彼岸としてとらえられ、異界とされていました。時代が進み川の向こうにも普通に往来できるようになるのですが、この概念は日本中どこでも残っています。川だけでなく海も同様です。
近畿や本州から見た四国は異界の島であり、四国巡礼などの霊場となりました。四国から見ると広島が彼岸の島であり、厳島神社弥山(みせん)が奥の院として霊場となったのでした。

■日本文学
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
これは川の流れを時間に例えています。
鴨長明の『方丈記』ですね。
「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり」
松尾芭蕉の『奥の細道』の冒頭の句ですね。

鎌倉時代、江戸時代と時代は違えど、川を人生に例えたり、時間の流れに例えるというのは昔からの日本人の感性なのかもしれません。

■枯山水
日本人は川や水に愛着があるようです。水を使わない日本庭園の様式として枯山水があります。岩を島、砂利の文様で水を表現する庭園です。かなり昔からあったとされていますが、鎌倉時代に禅と結びついてから広まってきました。水を使う庭園はお金がかかるので、おカネのかからない庭園としても活用されています。
水がないのに水を感じる庭園。岩の配置だけで豊富な水の量を表現する。結構高度ですね。京都の寺院にあるので是非見てほしいです。