2021年駒場東邦中社会 史料解釈問題②
どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。
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2021年の史料では史料解釈の変化が書かれていますね。
「慶安御触書」とされた資料の内容が、元をたどると別の時代に書かれた「百姓身持之諸覚書」の内容だった。
これは先の一次史料、二次史料の編纂過程を追うことで分かりました。丹念に出所を調べるのは重要ですね。何が重要かって?
この資料で言うと、別の国の別の時代の法律が誤認されてしまうんです。
結構な間違いです。種類的には1800年代イギリスの法律かと思ったら1600年代のフランスの話だった、くらいの違いです。但し、大本の内容が素晴らしかったためその後もいろんな国で、幕府で公認の書物に入っていったため誤認された。経緯としては致し方ない。しかし本当の大本は違っていたよ、ということですね。
問題に戻ってみましょう。問題文(資料)が長い分、問題数が少ないです。その分1問獲れるか外すかがメチャクチャでかいですね。ちょっと引用しましょう。
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「慶安御触書」が成立した流れ
1697年 甲斐国の藩の家臣が「百姓身持之諸覚書」を書いた。
1758年 下野国の領主が「百姓身持之諸覚書」をもとに本を作り、領内の村に配布した。
1799年 幕府の政治に関わる学者が江戸幕府の歴史書の編纂を提案した。
1830年 美濃国の領主が「百姓身持之諸覚書」の領主がの内容で本を作り、「慶安御触書」と題をつけて発行した。出版は幕府の政治に関わる学者の主導で行った。これ以降多くの領主が「慶安御触書」を作り、自らの領内で広めた。
1843年 江戸幕府公認の歴史書が完成した。その中の「慶安2(1649)年に出された幕府の命令」の中に、「慶安御触書」がのせられた。
1878年 明治政府の法律部門が、江戸幕府が出した命令を整理・編纂した書籍を発行した。そこに、幕府が各地域の村に出した命令として「慶安御触書」がのせられた。
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先に徳川家光問題を解答しましょう。合っているのはどれか?
ア 幕府が出した武家諸法度の中に、参勤交代の制度を盛り込んだ。
イ スペイン船の来航を、長崎の出島に限定した。
ウ 幕府役人だった大塩平八郎が起こした抗議活動を厳しく弾圧した。
エ 商人に貿易許可証を出し、東南アジアの各地に日本街を作らせた。
答えはアですね。比較的簡単です。解説はまた明日!
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