2025年海城中社会⑦論述問題 歴旅 – 歴旅-中学受験難関校へのぶらり旅-

どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう!

何やら当事者的な反省や客観的な自身の環境を考えさせられる問題ですね笑
論述が一番難しそうですが、本人の経験やこれまで客観的に比較できたか、ひいては親の考え方や価値観が反映されるような問題です。回答制度だけでなく、我が校にふさわしい子供かどうかも透けて見えそうです…笑

では内容を見ていきましょう。

え~、露骨なお金の話ですね。我が家も耳が痛いです。功罪両面ありますが、今回は留学に話題が絞られているので回答はしやすいかと思います。

資料4では語学、国際体験(=留学)、数理系オリンピック、他入賞、とあります。基準としては絵でも理科でもいいんですが、一般的にできるのは留学になります。
資料5,6では留学費用と、子供、保護者の「体験できてよかった!」という声です。
資料7では具体的な世帯年収別の掛けられる費用です。
ここで、体験できるのはごく一部、ということになってきます。

批判のポイントは「家計所得によって体験に格差ができ、新型入試では不平等が起きる」ということです。
論述では新旧の基準を整理して比較しましょう。片方だけでは手落ちです。

■従来型入試 
メリット :知識を問うため科目で平等評価ができる
デメリット:知識だけで実用的人物的評価が難しい

■新型入試
メリット :多様な経験や知識以外の活動評価ができる
デメリット:実現可否が家庭年収によるため、不平等が生じる

従来型入試についても触れつつ、新型入試のデメリットについて展開しましょう。


解答例
知識重視の従来型入試では、実用的な能力を評価することが難しいと考える人が多い。新型入試はこれからの力を留学などの経験によって評価するものだが、高校生の留学には多くの費用が掛かり、そのきっかけになる小中学生からの短期留学ができるのは、一定の年収のある家庭に限られる。そのため、新型入試は不公平であると批判されることがある。

■蛇足
教育費は昔は一人当たり2000万と言われていましたが、近年では塾に私立とそれどころではありませんね。
海外でエリート校は小中高一貫校で200~500万円/年が平均で、
そこからの価値観と仲間で生きていきます。1億は超えるでしょう。それでも教育水準は日本のいい公立の方がいいという学校もたくさんあります。

我が家はオーストラリアにいるので海外体験などはクリアしていますが、
英語ができたらいいか?というとそんなことはありません。
そうだったら英語母国語のスラムの外国人が優秀、ということになりますが、そんなことは100%ありません。

入学、入試よりも日本語という基本OSをきっちり作り上げることに苦心しています。
そこがダメだと基本の思考能力としてダメです。基礎と「当たり前」の共有というのもとても重要です。
日本の義務教育は給食や掃除などで共同作業をしたり、きちんと机に座って話を聞いたりと、日本人として大切なことがたくさん含まれています。こちらでは地べたに座って手づかみで野菜もフルーツも区別がつかないままとにかく栄養補給、でありマナーなどはあらかじめないです。「当たり前」で当たり前なことは何一つありません。高度な「母国語」習得もまた当たり前ではありません。外国語として学んでも文化背景が欠落した言語は外国人だとわかります。


日本は家庭科、技術、アート、書道、道徳、保健など、学科以外生きるために必要なものが多分に含まれており、とても良い教育だと思います。国によりますが、MBAとっても簡単な自分のケアすらできずに高い金を払っているのが海外とも言えます。自分でできないから外部経済で回す、というのは決していいことではない、というのは共働きしている我が家では痛感しているところです。。
教育は一朝一夕に行くものはありませんね。