平成29年桜蔭中学校社会①より 地理編 富山県⑩ 他産業とまとめ

どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。

富山の旅も終盤戦です。今日はさらりと行きましょう。


■アルミニウム
アルミニウムの精製には膨大な電力が必要なため、富山県がうってつけでした。もう一つは原料のボーキサイト。これは海外からの輸入になります。ブラジルなどが多く産出するのですが、大型船が停泊できる港が必要でした。この条件を備えていたのが富山でした。

これによってYKK三協アルミなど今でも有名な企業が生まれました。

水力発電は富山の水資源を活用していますが、自然の能力を見抜く力も大切ですね。地理はそのためにあります。人力の科学もその上に成り立ちます。合わせ技が重要です。
水力発電の土壌ができて、アルミニウム製造ができる。
売薬や北前船もありますが、産業にも歴史があり、関連性があり、人物が引き継ぎ、次世代に繋いでいっています。
産業にも歴史がありますね。
薬売りがいたからビジネスの基盤ができた。
北前船が交易していたから資本蓄積できた。
豊かな河川があったからダムが作れた。
電力があったからアルミニウムが作れた。

地元の先人が残してくれた基盤の上に、次の世代が時代に合わせて産業を作る。子孫が豊かなになる。

大事なサイクルですね。

現代でも富山県、全国1位が多いです。
持ち家率全国1位
持ち家住宅延べ床面積全国1位
米生産量全国1位
製造業従業者数全国1位

他しょうもないものもたくさんありますが、地元での働き口が多いから共働きで働き物が多く、低コストで東京まで売りに行くから起業成功者数が多いともいわれています。手堅く始められるんですね。

外から儲かるビジネスが来て、簡単に稼げる、というものは多くありません。貿易などのグローバルGAPを生かした高利益ビジネスはもちろんありますが、胴元をどこが握っているかを見なければ、個人は儲かっても全体は利益を吸い出されている可能性があります。それは将来的に自分達に帰ってきます。

意外と堅実なモデルを考えるのは、地元愛の圧地方の産業かもしれません。


■チューリップ
庄川の流域の開けた扇状地、砺波平野。
ここには屋敷林が立ち並び、名水が潤す豊かな台地があります。

チューリップ栽培が有名です。これもまた以外と歴史が古く、
1918年、大正時代に球根10球から始まっています。
当時は珍しかったチューリップが高値で売れるため、鼻だけでなく球根も販売したところ種苗商が高値で買い取ってくれたことをきっかけに本格的栽培が始まっています。

乾燥しない土地で裏作としてできるため、通常の米栽培以外の現金収入が増えました。

「チューリップ」とだけ言うとたいしたことないように思われるかもしれませんが、オランダでは花市場がすさまじいんです。
すさまじいって言われても。…花屋さんでしょ?と思ったあなた。
違うんです。
イメージは株式市場です。

世界最大の花市場ロイヤルフローラホーランド
花の競売協同組合ですが、ナールトウェイク、レインスブルク、アールスメール、エールデの4つの市場を運営しており、世界最大規模。
2017年ではこのフローラホーランド。年間売上は46億8700万ユーロ。
5900億円。1日に10億円の売上です。
もはやハイテク農業企業と化しています。

かつて17世紀オランダではチューリップバブルというものを引き起こしています。
今考えると胡椒を買うのに銀で買っていたのと同じくらいの感覚かもしれませんが、チューリップの球根で家が価格になっていました。
使用人が玉ねぎと間違って刻んで料理にしまって大変なことになった、という記録も残っています笑

何かしら思い入れ、というか別の文化があるのでしょうね。


日本の雪国発チューリップ。
現代ではもちろんこうしたところともつながっています。


さてさて。
富山を起点に日本海側の自然、産業の歴史についてもいろいろとみてみました。
日本全体に関わる産業構造も見えたかと思います。
地方から見てみると、日本のイメージも変わって来たんじゃないでしょうか。

目立たないような土地でも、
すごいシステムを作っていた人がいたこと。
広域ネットワークを形成していたこと。
日本を支えた偉人がいたこと。
名もなき人達が活躍していたこと。

試験問題には出てこないと思いますが、問題です。

日本の雪国は貧しいですか??笑