2018年開成中学校社会①より 近現代史 明治の政策
どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。
今日は明治の政策を見てみましょう。
■様々な制度改革
明治期になって日本は様々な制度改革に乗り出しました。西欧に学びこれまでの江戸時代と異なる制度を取り入れることで大きく発展しようとしました。この中にはもともと持っていた能力を落とすこともあったかもしれません。あるいは文化的断絶もあったと考えられています。出題されるだろう代表的なところを見ていきましょう。
富国強兵
殖産興業については見ていきましたが、それは軍事へと繋がっていきます。ここを改変し、強い国にしないといずれは欧米列強に植民地にされるというプレッシャーがあったからです。
江戸幕府と明治第1世代まではフランス式軍隊でした。これは当時の陸軍のつながりがフランスだったからでしょう。そして次はドイツ式になります。日本はフランスのように民主主義の国家よりも、皇帝を頂点とするドイツ(プロイセン)の国づくりの方が、天皇を中心とする日本の国家体制に合うと考え、ドイツから多く学びます。また、ドイツは遅れて産業革命を起こしたこともあり、どうやって追いついたのかというケーススタディとしてもよかったのでしょう。海軍はイギリス、陸軍はドイツと結びつきを強くしていきます。それぞれの強みを最大限学ぶ、ともいえますし、国内で全部1国に依存することは危険なので、勢力を分散させています。
1872年義務教育
これまでの寺子屋ではなく、6歳以上の男女全てが受けられる小学校教育が始まりました。義務教育です。
これってすごいんですね。日本の寺子屋があったから識字率が高かった、というのは世界的にみてもそうなのですが、それでも読み書きもできない人は多かった。「農家のせがれが読み書きなんて覚えてどうするんだ!畑耕せ!」というのが、それこそ戦後の田舎だってありました。貧しかったら親の畑仕事を手伝う。それを無理やりにでも義務教育として学校で学ぶというのは本当にありがたいことなんですね。
義務教育がなかったらどうなるか?
日本では圧倒的に当たり前すぎて何とも思わない小学校教育ですが、歴旅は仕事でバングラデシュの社会調査に行ったことがあります。そこで20歳の工場で働いていた子がいたのですが、初めて勉強する機会を得たそうです。母国語なのに歴旅が2週間前に始めたベンガル語と同じレベル。
「文字が読めてどんないいことがありましたか?」と聞くと、「自分の村に帰るバスが分かった」と答えました。どうしてここ来ちゃったの!?心から心配になりました。数字が数えられないから給料が半額になっていても気づかないんです。騙されても全く気付くことさえできない…義務教育って本当に大事ですね。当たり前ではないんです。現地でMBAを取っている優秀な人もいました。でも家庭科や保健体育でやったような簡単なことが分からない。なんで自分が体調不良かもわからない。栄養素もわからない。
1873年徴兵制が始まりました。
これにより武士だけでなく、満20歳以上全員が兵役につきました。武士というのは職業軍人です。徴兵制によって武士だけでなく、国民が全員参加して国を守る戦争に従事する。これは新しいような古いような。戦国時代前期に戻った感じですね。フランス革命以降、ナポレオンから変わってきました。ラ・マルセイエーズ。自分達で戦おう!という意識です。但し徴兵令には免除規定があり、戸主、長男は家を継ぐ必要があるため免れました。平民の次男、三男が主力だったのですが、義務教育と同様兵役も働き手が各地でいなくなるため、反対一揆などが起きています。
1871年に貨幣制度を統一しました。
江戸時代は東は金貨、西は銀貨が流通していたんですね。金銀を使っていたこともそうですが、貨幣制度が異なると商品の流通圏が限られてしまう。そこで日本全体を統一しました。第一国立銀行など153の国立銀行が設立されました。
今でも十八銀行、百三銀行などありますね。
ナンバリング銀行と呼ばれますが、地方では有力な銀行として残っています。
1872年地租改正
土地の所有者を明確にし、「地券」を発行して税金を取るようにしました。今でいう「固定資産税」ですね。
なかったらいいんですが。これも政府が決めた地価が高くて農民一揆が起こります。
次回は大きいイベントだった廃藩置県です!
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