2018年開成中学校社会①より 近現代史 朝鮮の開国
どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。
突然ですが問題です。
李氏朝鮮を開国するために日本が起こした事件は？
１．柳条湖事件２．満州事変３．甲午農民事件４．江華島事件
■朝鮮の開国
日本は明治維新を終え近現代化の道のりを歩み始めました。
この頃朝鮮半島は李氏朝鮮が統治していましたがどうだったんでしょうか。
実は李氏朝鮮にも植民地化の波が押し寄せてきていました。しかし差し迫った問題がないのか、わりとのんびり構えています。
李氏朝鮮も1392年成立から長い歴史を持つ国です。高麗の武将李成桂（女真族ともいわれています）が建国してから400年くらいの長い歴史を持ってますね。実は李氏朝鮮、19世紀後半にはフランス極東艦隊を追い返したり、アメリカと戦って勝利していました。地味にすごいですね。結構頑張ってました笑
実は幕末付近から日朝関係、少しずつ関係が悪化してきます。李氏朝鮮からすれば中国を中心とする華夷思想の中で生きてきた。日本の方が下なのです。それが「近代化しろ！」と訳の分からないことをしてきた。「昔から親交があるものの、日本さん困りますよ、中国がNO1でしょ？」という立場です。
清朝と同じく危機感を持っていなかったんですね。
これに対して日本は1875年江華島事件を起こして無理やり開国します。軍艦で乗り込んでいって開国しろ！と脅したんです。
なんか自分が欧米列強にやられたことをそのままやるなんて下品な気がしますが。。
しかし日本の立場からすると、朝鮮半島の独立は明治から現代にいたるまで極めて重要なテーマでした。
なぜか？
それは地理的要因にあります。
朝鮮半島は昔から日本と中国の間に挟まったバッファーステート（緩衝地帯）という立場にあります。ここがケンカしない限りは平和なのですが、この時代中国を狙う勢力が進出してきた。ロシアが南下してきます。イギリス、フランスもアヘン戦争などを経て北京、天津に進出してくると、朝鮮半島にも目を向け始めます。今まで日清関係だけ見ていればよかったのに、プレーヤーが増えてしまったんです。多極化すると一気に難しくなりますね。
日本にとっては朝鮮半島がどこかの植民地になった場合、釜山（プサン）からちょっと島を挟んですぐ博多港まではいってこれます。
朝鮮半島に軍港を作られたりしたら、簡単に入ってこられてしまいます。のど元にナイフを突きつけられた状態になります。バッファーステートがない状態というのは、常に相手に対峙して一触即発の緊張感をずーっと持ち続けないといけないんですね。こういう危機的状態を作りたくないんですね。戦争しないためにも朝鮮半島の独立が重要でした。
しかし李氏朝鮮は相変わらず清朝に服従した状態でした。アヘン戦争でも戦えず、その後も負け続けている清朝と一蓮托生では日本が困ります。朝鮮も生き残れないし、日本も生き残れなくなります。日本からすると、「清朝から独立して自力で強くなってもらって同盟関係になる」というのが一番安定的でよい関係なんだと思います。これを推進していきました。
はじめは穏当の方法がとられていました。しかし埒が明かないので日本は朝鮮半島に対して強硬手段を取っていきます。
当時李氏朝鮮には｜大院君《タイインクン》という皇帝のは罰があり、腐敗官僚を処罰し、｜衛正斥邪《えいせいせきじゃ》という儒教的価値観をもとに外国の侵略を阻止していました。鎖国攘夷ですね。これが理由で日本の開国要求も拒否。
そこへ王妃の閔妃（ビンヒ：みんひ）が登場。大院君派が重税と悪貨鋳造でインフレを起こしたのをきっかけに大院君派を追放します。腐敗が深刻化したのですが、政権交代したので日本からすると開国への道が開かれました。
この頃は西南戦争と時間軸が重なってくるのですが、西郷さんが主張した武力開国を明治政府が否定したにもかかわらず、結局その後半ば武力で開国しています。この当時は他の方法が有効ではなかったのかもしれません。
結果1876年日朝修好条規が結ばれます。
特徴は不平等条約で、日本の領事裁判権、港での日本貨幣の使用、協定関税制、２港開港（元山、仁川）などが結ばれます。
日朝修好条規は不平等条約でもありました。同時に軍隊の近代化に協力するなど開国を支援しました。
答え ４．江華島事件