2018年開成中学校社会①より 近現代史 日露戦争①
どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。
突然ですが問題です。
ロシア帝国が持っている当時最新鋭艦隊の名前は?
1.無敵艦隊2.バルチック艦隊3.日本海艦隊4.シベリア艦隊
さて次はロシアと戦うことになります。流れを見てみましょう。
■日露戦争
歴史上の大事件です。もうパラダイムシフトが起きたんです。世界が変わった。全アジアが泣いた(笑)世界が度肝を抜かれた戦争でした。
開戦前、アメリカのセオドアルーズベルト大統領は「日本が確率は現実的に20%以下だろう」と言ってました。
陸軍だけでも20万人VS113万人。
戦艦はロシアが1.7倍。
国家歳入8倍差。国土は60倍。
更にロシア極東総軍司令官クロパトキンは「欧米列強がかかってきても3年は落ちない」と豪語。ロシアは当時最強の矛と盾を持ってました。
矛は当時世界最先端レベルのバルチック艦隊。
盾は旅順要塞。
3年落ちないと言うのも根拠があります。
ヨーロッパで英仏軍と戦って1年以上激戦を繰り広げたセバストーポリ要塞。旅順要塞はその6倍規模。これを日本軍は4ヶ月で落とします…!!
それでは原因や経緯から見てみましょう。
日清戦争に勝った日本。それは朝鮮半島から中国東北部に対する利権拡大とともに、西欧列強と直接対峙することになります。
前回三国干渉が起きましたね。中国の遼東半島を割譲しようとしたら、ロシア、フランス、ドイツが出てきてあきらめさせられた、あれです。「どこから出てきたの?」というくらい関係ない。
しかし、裏を返せばこの3国は中国東北部から朝鮮半島を狙っているということです。特にロシアは近いということに加えて、不凍港を何としても獲得したいと思っていました。そうすると朝鮮半島はとても重要な要素を持っています。
ロシア帝国は満州・関東州の租借権・鉄道敷設権などの利権を確保していて、満州に軍を駐留させていました。あれ?三国干渉で返せといったのに。いつの間にかロシアは露清密約を結び、東清鉄道を敷設し、日本が手放した遼東半島南端の旅順・大連を租借し、旅順に太平洋艦隊の基地を作りました。
おいおいおい!!と突っ込みたくなりますね。
That’s帝国主義。力がすべて。軍隊を置いてやる気満々です。
しかしそもそも租借ってなんでしょう?
たくさん出てくるので単語は知っていると思いますが、ちゃんとわかっている人は少ないです。要するに他国に一定期間、条約に基づいて貸し与えることです。借りた側が実質的に統治権を持つので、国としての要件、すなわち立法・行政・司法権は借りた国に移ります。租借=植民地。租借の租は税金を意味するので、おカネを取って貸すのが筋です。しかし実際は条約に寄りけりでした。イギリスを例にみると、アロー号拿捕事件の時に九龍半島(香港のこと)を500銀で租借しましたが半年後の北京条約で割譲となり、それ以降はどこを租借しても無料。
ちなみに似た言葉で租界というのがあります。通常都市の内部に作られるのですが、上海のフランス街とか英国街みたいな感じですね。これについては区画の土地代を支払っていました。
答え 2.バルチック艦隊
続く
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