平成29年渋谷幕張中学校社会②より 貨幣問題⑩ 徳川吉宗の時代②
どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。
引き続き吉宗の時代の江戸です。
問題です。目安箱を設置する意味は何でしょう?
■目安箱
吉宗公はいいことたくさんしていますね。小石川養生所は幕末まで140年機能しました。これは目安箱の投書から採用されています。目安箱、機能していてすごいですね。
この意味を考えてみましょう。目安箱を吉宗が直接意見を受け入れるという仕組みを取ることで、政策に対する不満を解消する狙いがあります。「ちゃんと聞くから。ちゃんとやるから困っていたら意見を聞かせてくれ」とした方が、いつの間にか反対勢力ができて大軍団を作っているよりはるかに平和的です。百姓一揆を押さえる領地経営など、大名にとっても重要ですが、武力では向かわないようにするガス抜き政策は重要です。ガス抜きという意味ではメディアもその機能を持っています。これは朝鮮統治でも活用され、現代日本のメディアも同様の側面がありますね。本質的ではないことに集中させることで為政者の根本的な危機を回避します。また、訴えを吉宗に集中させることは他の大名などより権力があるよ、実行するよ、という表れでもあります。目安箱の仕組みは紀州藩でも実施しており、江戸幕府でもまじめに取り組んできたのだと思います。
ちなみに目安箱、見方を変えるとこれって結構怖い政策で、お隣中国だったら「意見聞くよ。全国の有識者から意見を募ります」と言って建白書を出したら「政府に不満ある人処刑ないしは労働改造所送り」となります。言論の自由なんてない江戸時代、政府批判なんてしようものなら下手したら小塚原刑場(現在南千住当たり)送りです(脱線、且つ時代は違いますが吉田松陰、頼幹三郎、橋本佐内も思想犯として処刑、回向院へ。墓マイラー的には注目スポットですが、ここはガチホラースポットでもあります。。)。
吉宗の目安箱、ちゃんと採用した上140年も機能する施設を作っていますね。使い方次第です。
① 困っていることを解決する
② 幕府への不満を解消し、反対勢力を作らないようにする
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