2019年渋幕中学校1次社会②より 水問題 河川③―東北

5月 5, 2023

どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。
中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。

河川地理編。今日は東北を見てみましょう。
関東から見ると東北地方は物凄く広いです。

問題です。東京と青森の中間地点はどのあたりでしょうか?
①白河市 ②郡山市 ③福島市 ④仙台市 ⑤仙台市以北

本日は東北地方。出身でないと未知のゾーンではないでしょうか。東北出身でも知らない地域は多いと思います。日本の中でもかなり広域のエリアです。
新幹線に乗って移動していると、東北地方と中四国は物凄く長く感じます。
やはり東京、名古屋、京都、大阪と移動するのと、それより先に行くのでは都市の物理的距離が変わってきますね。その分独自性が増してきます。

さて、東北の地図を見ると、それだけで水資源に恵まれていることが分かります。この地域は雪深いことも特徴的です。山の上にいつまでも雪が残るため、夏でも雪解け水が流れ込み、干ばつの影響が少ない地域です。その分冷害はあります。さて、東北の地図を見て何を思うでしょうか。
イメージすべきは中央を走る奥羽山脈と交通です。他の地域と比べて平野が少なく、人口が集中しにくい地形になります。日本海側の酒田や台周辺、気仙沼など川の下流に町ができますが、一方で岩手県、山形県、福島県の主要都市は内陸部にあり、道路も新幹線も内陸部を通っています。山の文化というのが特徴的です。

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■最上川
五月雨を集めてはやし最上川
松尾芭蕉の句ですね。
奥の細道で有名です。最上川は盆地と狭隘な流路が多く複雑な地形となっています。山形県面積の8割、人口の8割を占める100万人が流域に暮らしています。酒田は江戸時代まで北前船と栄えました。本間家という豪商がいました。
「本間様には及びもせぬが、せめてなりたやお殿様」
と言われるほどの権勢を誇りました。GHQに解体されるまで日本最大の地主と称され三井・住友に劣らぬ大商家でした。3代目当主本間光丘は砂防林、飢饉対策の米蔵備蓄、農林業をはじめとし、大名貸で金融界にも進出。本間宗久は株式相場の「ローソク足」も考案しています。
庄内藩は譜代酒井氏が治め、転封が一度もありませんでした。農民が「殿さまを移動させないでくれ」と江戸に嘆願して幕命を撤回した稀有な藩です。石原莞爾の地元で酒田法廷では滔々とアメリカの戦争犯罪を法廷で証言。実質満州国を建国したアジア主義&日蓮宗で、当時皇統派(天皇万歳軍事クーデターで改革だ!)・統制派(政財界と連携して合法的に軍事政権樹立だ)で分かれていた陸軍は罰の中「満州派」を自称し第3の道を取っていました。

■北上川
岩手県県南全体から宮城県まで通る一級河川。全国的にみても流域面積4位、延長で5位の規模。流域の78%が森林、農地19%です。東北縦貫自動車道、三陸縦貫自動車道、国道が通っている基幹交通ネットワークです。
一関、盛岡、北上から港の石巻まで、岩手県の主要な都市は北上川の上にあります。

答え:⑤仙台市以北