2019年渋幕中学校1次社会②より 水問題 河川⑥―関東

5月 5, 2023

どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。
中学受験、御三家の社会を楽しく学びましょう。

地理編。今日は関東。なじみが深いところも追いのではないでしょうか。

問題です。

①坂東太郎と呼ばれた川はどこでしょうか。
②渡良瀬川で明治時代に起きた鉱毒事件の原因は何でしょうか。
③戦国時代の武蔵野国と下総国の境目の川はどこでしょうか。
④江戸時代に飲料用上水として開発された溝渠は何と呼ばれるか

こうしてみると関東平野も水資源に恵まれていますね。大半が平野、そしてこれだけの川があるからこそ、人口集積地となります。
群馬や栃木県の山からずっと流れてきているのですね。群馬県も山間部の水上地方は雪深い土地で、だからこそ夏でも清らかな水が流れてきます。

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■鬼怒川
栃木の山奥まで続き、交通面では日光街道と繋がっています。

■渡良瀬川
明治時代に足尾銅山鉱毒事件がありました。銅の採掘で肺炎、鉱毒ガス、鉱毒水が発生し、人々に害を与えました。日本初の公害事件です。田中正造が明治天皇に直訴(しようとして取り押さえられた)。彼は衆議院議員でした。足尾銅山は日本最大、東アジア最大規模の銅山で全国産出量の1/4を占めていました。有効な手立てが打てておらず、被害は明治時代から1980年代まで続いています。

■霞ヶ浦
関東最大の沼。昔は海に繋がる内海でした。このふもとに千葉、茨城両側に香取神宮鹿島神宮があります。
当時は三重の伊勢神宮とこの3つの神宮しかなく、古代において千葉・茨城地域が重要な地域だったと考えられています。奈良の春日大社鹿が有名ですが、もともと鹿島神宮から奈良に行ったという話が残っています。鹿は神の使いですが、本家本元の中心地は関東だった、という研究が進められています。
埼玉県の稲荷山古墳からは朝鮮からの七支刀が出土。群馬県太田市にも近畿と変わらない規模の古墳があり、出雲の国譲りを果たした武御雷命たけみかずちのみことが香取神宮に祀られていることから、天津神がいた高天原は関東だったという説が研究されています。今後の研究に期待です。

■多摩川
奥多摩、青梅を通って神奈川県・東京の県境となり荒川水系に合流しています。万葉集、江戸時代にも歌に詠まれてきました。玉川兄弟が引いてきた玉川上水に繋がる水系です。幕末までは砂利採掘も有名です。農業用水、飲料水として米の生産量増大、江戸の生活を支えた川です。

答え:
①利根川。九州筑後川が「筑紫次郎」、四国の吉野川が「四国三郎」と呼ばれた。
②足尾銅山の採掘
③隅田川。江東区以東は千葉だった。江戸時代に利根川の流域を曲げたことで江戸川が境目となる。
④玉川上水