平成26年桜蔭中社会② 繊維産業問題④ 織物の価値

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いや~絹織物って意外と優秀なんですよ。昔だと反物たんものの形状で売り買いしていたんですね。服にしてから売るって意外と難しい。人によってサイズや好みがありますから。

さて。律令国家では反物を納める徴税がありました。
租・庸・調そ・よう・ちょうですね。租は年貢米を納めます庸は労働力を提供します。
そして調は反物や特産品を供出する。『延喜式』という文献があるのですが、日本は意外と地元特産品が納められてたことが分かります。伊豆国はお米よりも鮑など海産物、山国は木の実や果物などです。年貢米では支払っていないんですね。逆に当時日本各地すみずみまで農民ではないことが分かります。実際は農民だけでなく、漁師も狩猟もしていたことが延喜式からわかります。

この織物ですが、実は長い間通貨のような働きをしていました。
和銅開寳わどうかいほうという通貨が作られました。
しかし当時の銅銭は様々な問題を抱えていました。

○流通量が少ないこと。
○銅が希少であったため1枚の単価が高く、日々使用しにくい。

結果流通量があまり伸びず、日本で作った通貨は次第に消滅していきました。代わりに宋銭など中国大陸で流通していた通貨を輸入し、そのまま流通させていました。平安時代に平清盛が日宋貿易で輸入していましたね。
使用価値のあるものないものがバラバラだったためこれも不安定な通貨でした。しかし次第には通貨として流通していきました。しかし戦乱になるとほとんど役に立たない通貨は敬遠されます。
そこで反物が通貨のような役割を果たしていたことが分かります。

交換価値もあるし、いざとなったら使える。巻き物みたいにロール状にして売っていたんでしょう。作るのにかなりの労力と時間が必要なため高価であり、交換価値のあるものとして流通しました。

今と違う使い方ですが、繊維産業って古代や発展途上国での使用価値、重要性が分かりますね。