2018年豊島岡中学校第2回社会より 遣唐使① 中華とは?

どうも。歴旅です。
今日もぶらりと歴史旅。

はい。お題をいただきました。
今回のテーマは遣唐使です。

かくいう私も北京大学に留学していました。
まあ学生時代の短期の語学留学だったので旅行みたいなものでしたがある意味遣唐使笑
外交なんてしてませんが、王毅駐日大使(当時)に会ったりしました。
(ひたすら酒を飲んで民間外交です笑)

一応ビジネスレベルまで中国語は話せましたが、
国内を転々と仕事ばかりしていたら忘れてしまいました笑
しかしコロナになってから、そして今の政権になってから、遠い遠い国になってしまいました。。。
あんなにリピートしていた国だったのに。
友達の結婚式行ったりチベット行ったり、広州で食い倒れたり。

近くて遠い国。遠くて近い国。
それが中国。
遣唐使も似たような距離感を持っていたかもしれません。

大変深いテーマです。
なんせ遣唐使、やってただけで200年、20回くらいやってるんです。

でも遣隋使の小野妹子は小学生でも知っているのに、遣唐使でだれがどんなことやってたか?なんて大人になってもほとんど知られていません。
知らせたくない、知らせられない悲しい歴史がここにある…
のかもしれません笑

遣唐使をテーマにしていますが、本質的なテーマは
①中華思想の世界観と本質
②遣唐使の役割と働き

です。
それでは最初のテーマ、いってみましょう!
これだけで本3冊分くらい書けてしまうんですが、ざっくり要約していきます。
でもちょっと長くなった。ご容赦を(><)

■中華思想の世界観と本質
これは今の時代、非常に大事です。
是非ここで知っておきましょう。
現代の話なのに昔の話?
と思うかもしれませんが、中国は面白いくらい古典に忠実な行動をしています。
なので古典から学べる中国の行動パターンをよく知っておくことが、きっと役に立ちます。

■中国の本質① 中華思想
 難しい質問ですね。
 中国の本質ってなに?

 日本の本質ってなに?
 って聞かれても答えられないのではないでしょうか。
 別でまた出てくると思うので、是非考えてみてください。日本の本質ってなに?

さて、「中華」と言われると何を思い浮かべるでしょう?
ラーメン?笑
日本からするとそれくらいだと思いますが、字の意味は「真ん中の真ん中」です。
要するに「俺らは世界の中心だ」という思想です。
そして彼らにとっては「中華=世界」なのです。
そしてその影響が徐々に薄れていくのが近くの周辺国、もっと遠くなると化外の地。この化外(けがい)というのは化(か)することができなかった、つまり人間として教育することができない民族が住む場所という意味で儒教的世界観です。

わりとバリバリ選民思想ですね。
その通りです。
これが儒教的世界観の中核だったりします。
なので中華最強の称号が一番すごく、大陸統一する事は本当に尊敬される事なんです。


■中国の本質② 儒教じゃないよ法家だよ
日本では中国ってどんな国?と聞くと、古き良き古典中国のイメージから「礼の国」「儒教の国」などの答えが出てくるかもしれません。
しかしこのイメージはone of themにすぎません。ごく一部でおそらく90%くらい違うでしょう。(ちなみに私は友達と話していて儒教的な話を聞いたことがないです)

儒教というのは孔子が作った思想ですね。
仁義礼智忠信孝悌。
親孝行しようとか、人には優しくしましょうとか、社会がうまくまとまる道徳ですね。
儒教が成立した時代は紀元前500年ごろの春秋戦国時代と呼ばれる時代でした。このころは百家争鳴と呼ばれるくらい様々な思想が乱立していた時代です。老子、荘子、儒家、墨家、法家、縦横家、、、
要するにこれらの思想って、
「俺の考えた思想を使ったら天下獲れるよ!だから大臣に雇ってね」
という感じで各国の王様に売り込んでいった国家統治思想なんです。

そして時代を制覇したのは。その思想は法家の思想でした。

中国には様々な思想があります。
老荘思想。これはもう人間界の俗事にとらわれないようにしようという高度な出家思想ですね。人間やめて仙人を目指す。道教と融合し、今でも民間に残ります。

儒教。中国では中華思想の一部に取り上げられ、道徳的に真面目な話として残りますが、日々を統治するにはあまり中国の現実に即していなかった。理想的ではあるけどやはり真面目過ぎて現実と離れてるんですね。
儒教の中の華夷秩序だけはど真ん中で設定されてます。朝鮮半島では国家統治理論として長く続きます。長幼の序が大事。中国が一番なのを前提に下にピタッと二番手でくっつく外交方針でした。
中国でも華夷秩序はぶれることなく存在しているのですが、どちらかというと外交政策、対外的な中華の論理です。
中国の現実はすぐ下克上です。
つまり、日常に関わる内部論理は別の物が優先されています。

中国の本質の一つは法家思想です。
これは要するに、
「人間は欲で動くんだよね。だから人を動かす欲をよく理解することだ。あと恐怖でも動くよね。欲と恐怖を知ることで人間を統治できるんだよ」
という思想です。信賞必罰。
インセンティブも与えるし、さぼったら罰を与える。
デッドオアアライブ。
競争力は高まり、めちゃ強い集団ができる。弱者は切り捨て。
戦争には有利かもしれませんが、正直息が詰まりますね笑

同じ「法」と言っても、成り立ちと伝統を考えると国によって意味が違うんです。
欧米では、人民個人の権利を守るルール。
中国では、人民を支配しコントロールするルール。
日本では、人が則る模範と禁止ルール。

だいぶ違いますね笑
中国の国家の動きは法家思想で考えるのがよいです。
(個人はいろいろです。窮屈なので仙人目指す人もいるでしょう笑)

長くなったのでいったん切ります!また次回!

Uncategorized

Posted by rekitabipapa