2018年豊島岡中学校第2回社会より 遣唐使⑤ 戦乱の大陸と戦争難民
どうも。歴旅です。
今日もぷらりと歴史旅。
前回がガチだったので今日はちょい緩めトークです。
いろいろありましたが遣唐使、本来的には仏教とか学問とか文化とか、いろいろ学んで国に役立てよう!!というのが目的です。
日本と唐でバトルもありましたが、唐ではその後対新羅、対高句麗戦争で忙しく、敢えて敵にしたり、戦力を割く余力はなかったのですぐに仲直り。
その方が双方メリットがあったのでした。
では今回は当時の日中韓の交流の様子を見てみましょう。
■日本は帰化人だらけなのはなぜ?
現在の日本でも多くの中国人がいます。もともとは渡来人などが多く移り住んできましたが、その大半は「大陸でいじめられて逃げてきた人」です。
秦の始皇帝から逃げてきた徐福(伝説)。
秦朝が滅びて移り住んできた人々。(秦氏:はた)
漢が滅びて逃げてきた人。(漢氏:あや)
最近では1970年代の文化大革命のあまりのひどさに逃げてきた人。
たくさんいますね。
百済が滅亡したときも、王族含めて唐の船でざっくり600人規模で移住しに来ました。奈良には百済王の神社があります。
日本は国づくりをするのに、百済の人材が欲しかった。技術が欲しかった。百済遺民も戦争のない土地で平和に暮らしたかったのでみんな頑張った。平和に土着化しています。
高句麗が滅ぼされたときも、その前後から亡命してきた人達を集めて埼玉県に集合します。高麗神社(こまじんじゃ)というのがありますが、近くに高麗川(こまがわ)が流れ、当時大和朝廷から遠く離れた関東だったので蝦夷と一緒に、という意図もあったと思いますが、土地を得て開拓に尽力を尽くします。
日本って、昔から難民キャンプだったんです笑
ダイバーシティを受け入れ、多民族共生していたんです。
そういうわけで表面的で本質のない(あるいは国家権限簒奪意図のある)多様性議論は好きではないのですが、日本は(比較的)平和な島だったんです。
遣唐使でも多くの日本人が大陸に派遣されました。
昔のことだから往復するのがすごく大変だった。はじめに行った遣唐使が
「そんなに遠くて大変だったら毎年は来なくていいよ」
と許可を得たのですが、けっこう難破するので大変でした。
しかし、みんなほとんど日本に帰ってくるんですね。台風に巻き込まれて遭難したり、帰りたかったけど帰れなかった人もいます。現地で頑張ってたけど病気などで死んじゃった人もいます。しかし基本的に、永住的に住み着こうと思った人はほとんどいなかったのです。
なぜでしょう?文化的に優れていて「いい国」のはずなのに。
応えは日本と真逆の戦乱国家だから、ということです。
すぐ戦争。近くで殺し合い。強制労働。遊牧民族がわーっと攻めてくる。
これってわりと普通なんですね。
そして侵略者が国を統治する。
何を信じたらいいんでしょう。
昨日信じていたものが、今日からは信じるなといわれる。
歯向かったら一族郎党皆殺し。
羊頭狗肉の論理とか、政治の国というのはこの辺りの経緯を見ると何故そうなのかわかります。
日本ではほのぼのと儒教の国、礼の国、なんて習いますが、実際隣の人は赤の他人。だましてOKの世界です。
私も学生時代、留学中に、中国人のおじいちゃんの先生に、
「中国人はすぐ騙してくる!」
と訴えたら、
「私もよく騙されるんじゃ…。」って笑
逆におじいちゃんを守ってあげたくなりました笑
また、中国の友人が多いのですがよく言われます。
「歴旅さん、そんないいひとじゃ中国人に騙されるヨ!!
そんなんじゃ私が守らないとダメネ!」
と中国人に心配されます・・・笑
みんなのやさしさに涙。
少し話を戻すと、中国大陸の環境を考えると、日本は逃げてでも行きたいところであり、日本からすると、中国は学ぶことはあっても住みたいとか中国人になりたいということはあまりない、ということです。遣唐使も漂流して帰って来れなくなっちゃった人以外はほとんど帰ってきてます。やはり故郷が好きなんですね。これって大事なことです。当たり前ではないんです。
海外には国が戦争していたり環境が酷くて故郷に帰りたくない人もたくさんいます。
もちろん平和ないい時代にビジネスで稼ぎまくっていい思いをする人もいます。
しかし直近20年のビジネス環境だけ見ても、開発しつくしたら全部摂取、技術パクりまくり、そのあといろんな理由をつけて国外退去など。
最終的に良かったのか。
慶応出身の駐在員の方々が集まる場所にもお邪魔させていただきますが、「全ての事業を整理すると、儲かったように見えて損益は赤だった」
と言っていたのが印象的です。
これらは国家としての動きです。
先ほどの、日本に逃げてきたい人、というのはこうした論理でやっていくのが嫌になったんですね。
熾烈な競走に勝ち残れば農民から皇帝になれる国。
でも勝ち残ってもいきなり全滅させられる。
そもそも圧倒的多数は搾取される環境。
みなさんならどうですか?
中華最強を取る夢はあります笑
フォローしておくと、中国大陸はめちゃくちゃ広いです。
日本が13個分くらい。
だから全部画一的に同じ「中国」なんてのは存在しないんですね。
だからいろんなスタンス、いろんな立場、いろんな人達がいます。
細かく言えば、省ごとに文化も言語も料理も全部違います。
もはや別の民族です(もともと別民族です笑)。
歴史的には日本に逃げてきたいという人もたくさんいました。遣唐使や仏教寺院も、後半唐が荒れてくるとそういう側面もあったのではないでしょうか。
なのでよくよく話して付き合うのがコツです。
歴旅は家族の話を聞くことにしています。
おじいちゃんはどこで何をしていた人なのか。
どこ出身でどんな仕事をしていたのか。
おばあちゃんはどんな人なのか。
お父さん、お母さんはどんな人なのか。
そうすると本質が見えてきます。
肩書きとか、学歴とかは表層です。
血のルーツは隠せないのです。
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