2019年渋幕中一次社会 プール問題⑪法務省

どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。
中学受験、御三家レベルの社会を楽しく学びましょう。

今日は法務省。
これもまたシンプルなようで分かりにくいですね。
名前の通り法律を取り扱っている官庁です。

簡単に言うと、
検察庁
拘置所・刑務所
国家公安委員会
などが具体的組織になります。

簡単に言うと調べる。裁く。拘束する。
ということができます。これも国家権限そのものですね。

国会が立法する場だとすると、法律を運用するのが法務省です。
裁判所は別で公平に裁判をしますが、検察は国家権力そのものなので調査力、証拠を差し押さえる能力など、当たり前ですが民間人より高いです。裁判ではどうしても強い。

国会・裁判所・行政が別々に分かれているから三権分離と呼ばれるのですが、最近の動向を見ていると政治主導で三権一致してきています。
内閣が行政官僚の人事権を握り、裁判所の任命も恣意的に延長するなどの行為が見られます。安倍政権の間に助長された動きです。

国がクロといえば黒になる。冤罪でもなんでも捕まえられる。
こうなってしまうと怖いですね。だから三権を分離することでお互い牽制できるようにしているのですが。。

歴史的には守護・地頭などにとって重要だったのが裁判権でした。
徴税権と合わせて領主の権限でした。
裁判権ってなに?というと、要するに
A「うちの土地だ!」B「いや、うちの土地だ!」

とやっているところに、裁判官「Aはこうしろ、Bはこうしろ」という決定権を持つことです。
戦国時代に戦に勝って論功行賞を決めて支配地を決めたり、ダメな部下を飛ばしたり。源頼朝が朝廷から奪ったのは御家人達の土地支配の決定権でした。鎌倉幕府の重要なポイントは、天皇を中心とする朝廷が持っていた土地の領有権を、鎌倉幕府が任命できる権限を持ったことです。はじめは坂東武者のための鎌倉幕府でしたが、承久の乱によって天皇を島流しにし、京都には六波羅探題という監視組織を置き、西日本にも御家人を派遣していき全国支配しました。

大人になったら法律を勉強する人も多いと思いますが、弁護士になるというよりも検察の方が国家権限があります。時代が変わっても、法律の内容が変わっても、社会の本質は変わらないですね。