2018年豊島岡中学校第1回社会より 空海② 仏教って何?

どうも。歴旅です。
今日も歴史をぶらり旅。

本日は仏教について。
日本に来た仏教って何なんでしょう?

普段からなじみのある(?)お寺ですが、
仏教ってもともとなんでしょうね。どんなもので、どう変化していったんでしょう。
地域ごとに異なるので見てみましょう。

■あらゆる宗教は土着文化と習合する
 世界にはいろんな宗教がありますね。キリスト教、イスラム教、仏教などなど。日本は神道、仏教が大半、しかしたいして信仰もしておらずお祭りベース。
12月にはクリスマス、お正月には神社にお参り、と大忙しです。仏教はお盆、ありますが、墓参りして、あとは葬式仏教というのが大半の認識でしょう。
祭りと縁日があれば満足ですね笑

世界的にいろんな宗教があります。
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教は一神教と言われていますが、ふたを開けてみるといろんなバリエーションがあります。

カソリック、プロテスタント、正教会などに分離しまくったキリスト教。
アルメニア正教なんかはキリストの代わりに地元の聖人が死んだり復活している。物語は似ているけれども、もはや信仰の対象は別物です笑


ちなみにアジアで広まったマリア信仰も本来的には邪道です笑
正式なカトリックは神と聖霊とイエスを信仰すべし!となってます。どこから聖母崇拝が出てきたんでしょうね笑


アラブイスラムはスンニ派ですが、途中でシーア派に分かれたイラン。
ようするになのか、ってシーア派=ペルシア文化と融合したイスラム
なんです。侵略してきたアラブ人のイスラム教徒一緒にするんじゃねぇぞ、と。
「もともとのペルシャの方がすごいんだけど侵略されちゃったから薄ーくイスラムなフリしときます。ってかペルシアのゾロアスター教の方がよかったなぁ。酒呑めるし」
というのがイランの正直な気持ちでしょう。

クリスマスもバレンタインもイースターも謝肉祭も、全部全く別の宗教を取り込んだ結果です。

そんなわけで、聖書や経典に書いてあることがすべてではない。
土地によって、実践によって変わるんです。
特に仏教って、めちゃくちゃ変化しているんです。
そのあたりの変化を見てみましょう。

■原始仏教ってどんなもの?
そもそもの仏陀(ゴーダマシッダルタ)が作った原始仏教。この教えは、

「命はぐるぐる回って動物になったりまた人間になったりしているんだよ。でも人生ってしんどいじゃん。生老病死。みんな年取るし病気になるし最後死ぬ。生きるのってつらいじゃん。だから欲望とか執着とか全部捨てて、このグルグル(輪廻)から抜け出しちゃったら勝ち組だよ!(涅槃:ニルヴァーナに至る) よし、みんなでニルっちゃおう!!修行して悟りを開くのだ」

というのが仏陀の教えです笑

■小乗仏教から大乗仏教へ
 そんな仏陀の教えに賛同する人は多く、インドで発展していきました。しかし仏教ってつらいんですね。なんでかっていうと、世の中どんなに大変でも、自分だけ悟ったらゴールなんです。
でも周りは苦しんでるし大変な社会状況だったりする。でも、そんなこと関わっていたら修行できない。1人修行林にこもって悟りを得るんです。インドのヨガとか行者がいっぱいいるんですが、大体それに似通ってくるんですね。

それに対して疑問に思った人がいたんです。
 「自分だけ悟ればいいなんて、なんて自分のことしか考えてない奴らだ!みんなが救われなければ意味ないじゃん!」
という批判の元に大乗仏教ができてきます。

それはいいんですが、ここから全然別物へと発展していくんです。
ざっくり何があったかというと、

・仏陀は現世で悟りを開いた人間だが、過去にもそういう人はいたし、未来にも仏陀はいる
 →過去仏、未来仏を勝手に創造

・弥勒菩薩が56億7000万年後に衆生を救いに来る
 →ぐるぐる回っていた時間軸がいつの間にか終末論に変化。
  しかもそんな先なの。。。??

・インドからガンダーラへ、中東を通って帰ってきたら仏様大量生産

・ヒンドゥー教の神々を吸収。仏教化
 →インドで人気落ちたからヒンドゥー教徒取り込みたかったんだよね

・念仏唱えただけで極楽浄土へ
 →そんな簡単なわけないじゃん

とまぁ、主にはインドから中東を通ってシルクロードオアシスの国、敦煌などに帰ってくる頃には、もはやオリジナルの仏教とは全く別物になりました。
みんなこっちの方が良くない?という経典を書いて上書きしていきます。

大乗仏教はハッキングされています笑

弥勒菩薩はサンスクリット語でマイトレーヤ、パーリ語でメッテイヤ、メッテッヤと言うのですが、ミトラ、メシアを取り込んだんですね。気が遠くなるような時間の先に救われる。
この「時の終わり」というのが一神教の特徴であり、アジアにも、日本にももともとありませんでした。

こんな感じで「仏教」という、枠の中だけで、世界が語れるほど多種多様な歴史的思想の変遷をたどっているのです笑


次は日本のお盆を見てみましょう。

平安時代

Posted by rekitabipapa