2021年駒場東邦中社会 史料解釈問題
どうも。歴旅です。今日もぶらりと歴史旅。
中学受験、御三家レベルの社会を楽しく学びましょう。
歴史関連で新聞に載ったりしていろいろ巻き込まれておりました。
気を取り直して、今日は駒場東邦中の問題です。すごく基本に忠実な、歴史学が好きそうな人が考えた問題ですね。大学受験で出るタイプのものをもうやるのか、と思いました。
ちょっと簡単に史料解釈の方法を先に展開します。
①史料の重要性の順位付けをしよう
歴史史料はいろんな種類があります。簡単に言うと一次史料、二次史料、三次史料…(続く)に分かれれます。
一次史料:事件の当事者や、その場にいた人が書き残した資料です。また、同時代の人が書き残したものも含まれます。古代だと100年あっても資料はそれほど残っていない場合もありますから。これを読み込むのが一番正しい(?)歴史に近いです。但しとんでもなく大変です。たいてい日記みたいな資料なんです。今日はどこで何をした、という記述を全部漢文か崩し字ので読み込むのは相当大変です。また、一次史料と言えども「正しい」歴史とは言い切れません。大抵歴史は戦争や政変などの記録になります。そのためどちらかの体制についている人が書き残すので、バイアス(偏見)がかかっています。それを分かった上で読む必要があります。事件で何が起きたか?という記録としては、一番確からしいと言えます。
二次史料:一次資料をもとに別の人が編纂した資料です。一次史料をそのまま引用して持ってきている箇所もあれば、意味を要約して載せている場合もある。いわゆる研究者、学者さんの本はこれに該当します。研究者は独自の解釈、意見が必要になります。そのため一次史料に加えて、「そこから何が言えるのか?」を付け加える必要があります。
更に、史料編纂の段階で自分の違憲に必要な史料を引っ張ってきます。だから本当は反対の意見がある資料を知っているのに、わざと外すケースもあります。その点では「その意見は合っているのか?」「史料の解釈は合っているのか?」「他の史料はないのか?」「網羅的に全部読んでるのか?」というのが大事な論点になります。その上で妥当な事実、意見を吟味する必要があります。
三次史料:研究者の専門書を読んで編纂した本です。ここからは解説書やガイドの位置付けになります。資料が少ない時代では価値はありますが、確からしさが確認できません。「偽書」と疑われるのはこの辺りからです。一次史料が記載してあり、現存しているといいのですが。
歴史学ってテキスト中心で文学に近い要素があります。しかし歴史学を成り立たせているのは「確からしさ」という統計学的な概念だったりします。しかし史料が少ないのと、読み込む史料が膨大、且つスキルが必要なので研究者は貴重な存在です。
歴旅は昔インドネシア史をやっていましたが、極めようとすると
・インドネシアに留学→ガジャマダ大学でジャワ語を習得→古代ジャワ語をアラビア文字で読めるようにする→インドネシアで読める資料は全部読み込む→オランダ語を習得→ライデン大学に留学→収集された資料をオランダ語、ジャワ語で読み込みまくる
というプロセスが必要で、諦めました。。笑
シャバに戻ってこれない特殊スキルを人生を賭けて極めなければなりません。留学費用は奨学金だけでは出てこないのでサイドビジネスしながらになります。東洋史は3,4言語操れる人が多いですね。(読むだけで現代では使えない外国語・・)現地の王族には大変気に入られるスキルです笑
長くなりましたがこれが分かっていると史料の読み方の正しさが分かります。
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