経済の歴史⑥ 楽市楽座の開始は織田信長ではない?でも優秀な経済政策

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問題です。楽市楽座をはじめに始めた武将は誰でしょうか。

織田信長、という印象がとても強いですが、実は初めに実施したのは
六角定頼という武将です。

六角氏は信長の前の時代の近江の武将で、城下町で実施しました。
1549年に六角定頼が近江で実施。
1566年に今川氏真が門前町で実施。
1567年に美濃で、1577年に安土で実施した信長の楽市楽座の政策はパクリとも言えます。

中間搾取をなくして直接的に手元に税収が入るとともに、税金が安くなって民衆も安心して商売を活性化させることができた成功例です。

その他通貨政策として金銀の使用を促進。
また、撰銭令(えりぜにれい)を出して貨幣間の交換比率を定めて円滑な寡兵流通を促進しました。

これ、結構重要なアクションなんですね。
室町時代末期から戦争が増えて荒廃してくると、通貨ってそんなに価値を持たないんですね。コインをたくさん持っていても役に立たない。食べれるものの方がいい。反物の方が利用もできるから価値がある。
日本で貨幣流通がちゃんと定着したのって結構最近の事なんです。
通貨も完全にバラバラ。中国で作った宋銭が平安末期から流通していたんですが、その後も明銭など中国のいろんな時代のいろんな通貨が流通していたんですね。それぞれで価値が違うから種類別に集めて計算して、モノを買ってというプロセスは煩雑すぎます。しかしそれをやっていた。
信長は「どのコインもほぼ一律にしてコインの質で選ぶの禁止」という撰銭令を出しました。まあぼろぼろのコインもある訳で、選びたくなるのもわかりますが、流通の円滑化を目指したんですね。そこに金銀の流通を促す。
ついぞ統一通貨が生まれなかった日本の中で、その中でも良貨に近づけようとしたんですね。
通貨政策が打てる武将。これはけっこうレアでした。
通商政策に秀でていたと言えますね。通貨は今でも世界覇権の重要ポイントです。天下人の資質あり、というのはこの辺りだと思います。